
秋と言えば、「スポーツの秋」「食欲の秋」「読書の秋」と人それぞれかと思いますが、読書離れによって、読書の秋が喪失してしまうのではないかと懸念しております。
読書習慣は子どもたちの知的成長にとって非常に重要であることは周知のとおりです。しかし、最近の調査によると、読書離れが進行していることが示されています。文化庁が発表した2023年度の国語に関する世論調査では、1カ月に本を読まない人の割合が63%に上り、読書量が減少していると回答した人も69%に達しています。学校現場からは、「長い文章を読む忍耐力が低下している」という声が聞かれます。この傾向は、スマートフォンやSNSの利用時間の増加によるものと分析されています。スマートフォンは確かに便利ですが、それ以外の大切な時間をなくしてしまうような使い方は疑問です。
本を読むことは、新しい知識を得るだけでなく、登場人物に感情を移入して、喜怒哀楽をともにしたり、深く考えて内省したりすることで、人格形成にも大きな影響を及ぼします。一冊の本との出会いが、人生を左右することもあると言われています。大人としては、子どもたちに読書の楽しさを伝え、読書習慣を育てることが大切です。家庭での読み聞かせや、学校や園と連携して読書活動を奨励することが、子どもたちの読書への興味を引き出し、読書離れを防ぐ一助となるかと思います。北丘幼稚園では、子どもたちの興味関心のある本を購入し、読み聞かせの機会をたくさん設けています。「読書の秋」を大切にしていきたいと思います。