
毎年4月に小学6年生と中学3年生を対象に実施されている全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の2回目の結果が8月1日公表されました。全国学力テストと合わせて、児童生徒への質問調査も行われました。それによると、「読書は好きか」という設問に対して「好きに当てはまる」と回答した児童生徒の方が、国語、算数・数学、理科のすべて教科で成績がよかったという結果が見られました。小学校国語の平均正答率は、67.0%ですが、「好きに当てはまる」児童は、73.6%、一方「当てはまらない」児童は56.2%と、読書好きかどうかで約17%の差が見られました。ただ、残念なことは、読書好きに当てはまる」と回答した児童が、昨年度に比べて5.5%減少したことです。また、「平日に授業以外で本を読まない」児童は29.0%という過去最多という結果となってしまいました。
文部科学省の担当者は、この状況を鑑みて「読書は各教科の言語活動を支える基礎であり、本を身近に感じる取り組みが重要である」とコメントしています。読書の大切さは、このコラムでも何度も書かせていただきました。まだ自分で文字を読み進めることができない幼児には、読み聞かせが重要です。読み聞かせは親子にとって、極めて良質なコミュニケーションの場となり、子どもの心が安定し、親への信頼と愛着が増します。その結果、言葉の数が増え、文法についての理解力も上がり、話したり聞いたりする力もついてきます。言語面での成長は、集団生活をしていくうえで、指示されたことが理解できるようになります。どうか、夏休みの期間に、ぜひおうちの方がたくさん読み聞かせをしてあげて欲しいと思います。読書習慣は、子どもの未来を豊かにします。