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小学校への移行をスムーズにするには①

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 北丘幼稚園の年長児を見ていると、「小学校1年生よりもしっかりとしているのでは」と感じることがあります。小学校に勤務していた時に近隣の幼稚園の運動会を見て回っていた際にも同じ思いを感じたことがありました。小学校1年生は小学校の中で一番下ということもあり、教員の側にも1年生だからこれくらいのことができればOKと思う気持ちもあります。一方、年長児は幼稚園で一番上の学年という意識、自覚や保育者の期待もあると思います(小学校6年生と中学1年生の間でもこのような逆転現象とでもいうべき状況を感じることがありました)。このことは学校種が変わったときに起こる制度的な問題かもしれません。

 また、小1プロブレムという言葉をきいたことがあるでしょうか。これは、幼稚園や保育所、認定こども園を卒園した後、子どもたちが小学校での生活や雰囲気になかなか馴染めず、落ち着かない状態が数カ月続く状態を言います。授業中にも関わらず複数の子どもが教室内を歩き回ったり、先生の指示通りに行動できなかったりするため、正常に授業を進行できない事態に陥ってしまいます。不適応から学校に行けなくなってしまう子もいます。1年生の担任でこの問題に悩まされている先生は少なくありません。小1プロブレムは、子どもが学校生活という慣れない環境への不安からとってしまう行動だと考えられます(中学校では、中1ギャップといわれる同じような現象もあります)。これらの原因には、教員の力量不足、地域社会の少子化や外遊びの経験の不足、保護者の育児経験の乏しさ、非認知能力が身についていないなど様々な問題が考えられます。

 文部科学省は、こういった段差を解消すべく、幼保小の架け橋プログラムを打ち出しています。幼稚園、保育所、認定こども園では「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を示し意識して取り組むこととされました。小学校では、スタートカリキュラムを設け、徐々に慣れるような工夫がなされています。しかしながら幼稚園と小学校の間では、私が知る限り、十分に行われていないように感じております。新型コロナウイルスの蔓延によって、交流が妨げられてきたこともあります。厳しい状況下ですが、まずは北丘幼稚園では、近隣小学校とお互いに教員が授業を参観しあうことから始めて、スムーズな学びの移行ができるように手立てを講じていきたいと考えております。親としてどのように対応したらよいかについては、次回に譲りたいと思います。

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