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ギミック

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 以前、このコラムで「非認知能力を伸ばすコツ」と言う中山芳一さんの著書から非認知能力を伸ばすためには、本人が意識することによって望ましい行動に変容していくこと、相手(子どもや部下、後輩など)に対して、その過程(プロセス)をほめること、ほめる側が見取る力を養って、相手に即座にフィードバックすることの大切さについて紹介させていただきました。前回は、観察者となって見取ることが前提となっていましたが、今回は能動的なアプローチ(ギミック)について紹介させていただきます。

 ギミックとは、仕掛けを意味します。私たちが相手に何かを意図的に仕掛けることで、相手がやってみたくなったり、やろうとしたりするように仕掛けていく方法です。例えば、保育士が子どもたちに自制心やコミュニケーション能力、他者と折り合いをつけることをねらって、次のような3つの場の設定を考えたとします。①10人の子どもたちが砂場で遊んでいるので、10本スコップを用意してあげる。②10人の子どもたちが砂場で遊んでいるので、5本スコップを用意してあげる。③10人の子どもたちが砂場で遊んでいるので、1本スコップを用意してあげる。折り合いをつけることをねらうなら、①では貸し借りという機会が生まれません。③では幼児期の子どもたちには奪い合いの修羅場となってしまいます。ギミックとしては、3つの場の設定の中では②が最適と言えるでしょう。

 ギミックを意図的に仕組むには、あらかじめ相手の伸ばしたい非認知能力にねらいを定め、どんな機会や活動、環境を提供できれば良いか考えておくことが大切です。目の前にいる子どもたちの発達段階から育ってほしい姿を見通して、どんなギミックを仕掛けていくか、子どもに関わる大人たちの腕の見せ所となります。

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