
11月8日松戸市民会館にて第35回松戸市幼児教育振興大会が私立幼稚園連合会、私立幼稚園連合会父母の会の主催で開催されました。この大会は、幼稚園設置者、園長と園児の保護者及び行政の担当者が一堂に会し、幼児教育の質の向上、補助金の増額、保護者の教育費負担軽減等の実現を目指して、行政機関に要望する会です。今年度は、対面での実施となりたくさんの保護者の参加がありました。北丘幼稚園からも4名の保護者の方が参加してくださいました。
セレモニーの後、國學院大學教授で幼稚園教育要領やこども家庭庁設立などさまざまな国の子育て政策にかかわってきた 鈴木 みゆき 先生の記念講演がありました。先生は長年にわたり「早寝・早起き・朝ごはん」の大切さを唱え、文部科学大臣賞を受賞されております。「親子で作る生活リズム~あと伸びする子どもが育つ幼児教育~」というテーマのもと軽妙な語り口で、楽しくとてもわかりやすいお話でした。参加された保護者の方は、大変満足した様子でした。子育てに関する大きなヒントを得たことと思います。概要は以下の通りです。
幼児教育の世界では、たくさんのことをスポンジのように吸収できる幼児期をどのように過ごすかが、子どもの将来に直結してくる。ノーベル経済学賞を受賞したアメリカのジェームズ・j・ヘックマン博士は、早期に養っておくべき力は、読み・書き・計算といった認知能力よりも、自分の感情をコントロールする力、人とうまく関わる力、目標に向かって頑張る力、苦難を乗り越える力(これらを総称して非認知能力と呼ぶ)である。非認知能力を高めることが、その後の人生に優位に働く。したがって、幼児教育にもっとお金をかけるべきである。非認知能力は、脳の前頭葉に関わることで、それには土台となる脳幹(生きるための脳)の働きを高めることが大切。そのためには、まずしっかりと寝ること。日本人は子どもも含め、睡眠時間がかなり少ない民族で、ゲームやコンビニエンスストアの発展などがそれに拍車をかけている。幼児でも10時過ぎに寝て、朝起きられない子が多くなってきている。いい睡眠をとることで、昼間の記憶が定着し、悪い記憶は消してくれる。
非認知能力を育むには、その土台となる睡眠を含めた生活リズムを整え、やはり重要なのは外遊びをすることだと先生もおっしゃっておりました。北丘幼稚園では、遊びを通して、人間形成を図ることを大きな目標にしています。広い園庭で、のびのびと友達や先生と思いっきり遊び、さまざまな行事を大いに楽しむ中で、非認知能力を養わせたいと思います。
おしまいに人の話を聞いて学ぶことは、自分自身を向上させるために大切であると私は思います。来年度は、多くの保護者の方に参加していただき、子育てに関する知識を増やして欲しいです。そのことがやがては、ご自身のお子様に返ってくるものです。