小学校の国語の教科書にも掲載されている詩人の金子 みすゞさんの『私と小鳥と鈴と』という詩を紹介します。ご存じの方もいるかと思います。
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、飛べる小鳥は私のように、
地面を速く走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
最後の「みんなちがって、みんないい」はよく知られたフレーズです。みすゞさんにとっては小鳥にも鈴にも私にもそれぞれによいところがあり、優劣をつけるという考え方はありません。この詩は人間や動物にとどまらず無機質な鈴に対しても温かな眼差しを向けています。地球上のすべてのものは同じ価値を持つとの考え方をもち、命の有無はまったく関係なく、どちらも尊いと言っています。人は一人として同じ人はいません。この詩を読むと、それぞれの人に存在価値があり、世の中で大切にされ、尊重されるべきだと強く感じさせられます。
そういえば、1学期の終わりに年長の男の子たちが、枯れそうなひまわりをバケツに入れ、毎日水をあげていました。(そのおかげで、少しひまわりも元気を取り戻したようにみえましたが、連日のこの暑さでどうなったことか。)その様子を見ていて、植物に対する温かなまなざしを感じさせられました。みすゞさんの詩を読んで思い出しました。