
9日、絵本をたくさん積んだ大きなキャラバンカーが北丘幼稚園にやって来ました。講談社の「全国訪問おはなし隊」です。「全国訪問おはなし隊」は、夢あふれるキャラバンカーにたくさんの絵本を載せて、全国47都道府県におはなしを届ける講談社の事業です。1999年7月にスタートし、これまで全国約2万4000ヶ所を訪問してきたそうです。「おはなし隊」の基本プログラムは、「隊長さん」による絵本の読み聞かせと大型紙芝居の「おはなし会」(30分)と、子どもたちがキャラバンカー内の好きな本を選んで読める「自由閲覧」(30分) 2部構成となっています。
子どもたちは、年少組と年中・年長組の2グループに分かれ、「おはなし会」と「自由閲覧」を楽しみました。「おはなし会」の時の子どもたちの表情を横から見ると、目が輝いているのを感じました。「自由閲覧」の時には、キャラバンカーの階段を上り、自分の好きな本を選んで、楽しそうに見ていました。子どもたちにとって、大満足の一日となったようです。
さて、このコラムで何度か読書に関するものを取り上げてきました。世の中を見渡してみると、残念ながら本離れ、読書離れが進んでいるのは間違いないように思います。誰もが、経験上本をたくさん読んでいる人は、知識が豊富で勉強もよくできると感じているかと思います。親なら読書習慣を我が子に身につけさせたいと願っているのではないでしょうか。
東北大学教授の川島隆太先生は、著書「本の読み方で学力は決まる」の中で特に幼児期の本の読み聞かせの大切さを次のように訴えています。幼児期の読み聞かせの体験は、子どもに関しては、感情や情動の脳が働く。大人の脳もコミュニケーションの脳が働く。読み聞かせは親子にとって、極めて良質なコミュニケーションの場となり、子どもの心が安定し、親への信頼と愛着が増し、その結果、親のストレスもぐっと軽くなる。スマートフォンやタブレットにだけに子育てを任せていると、時間的には楽になっても読み聞かせをする子育てと比べると、薄っぺらなものになり、子育てのストレスも増えてしまう。また、言葉の数が増え、文法についての理解力も上がり、話したり聞いたりする力もついてくる。言語面での成長は、集団生活をしていくうえで、指示されたことが理解できるようになるので、大人から見た問題行動の減少にもつながっていると。
北丘幼稚園でも担任がほぼ毎日のように本の読み聞かせをしています。どうぞ、各ご家庭でも読み聞かせを生活の一部にしていただきたいと思います。