
子どものケンカは、親としては心配になるものです。しかし、ケンカは子どもの成長にとって必要な経験でもあります。子どもは、ケンカを通して、自分の感情や思いを表現する方法を学び、他者との関係や社会のルールについても理解を深めます。ケンカは、子どもの社会性やコミュニケーション能力、非認知能力を育む機会でもあります。
新聞に「子どものケンカは成長の証し」と言う大阪教育大学教授 小崎 恭弘先生の記事が掲載されていました。生活空間や時間の共有により、葛藤や軋轢が生まれ、それがケンカへと発展していきます。ケンカは、人とのかかわりの中で一定程度生まれるものです。「ケンカするほど仲がいい」とは、それだけ密接な関係が築けているということです。ケンカをする中で、仲直りや解決の方法がつくられたり、ルール化されたりしていくものです。ですから、対人関係や人との距離感を学ぶ上で大切であるとも言えます。
しかし、親として、そうも言ってはいられない場合もあることと思います。では、子どものケンカにどう対応すればよいでしょうか。まずは、冷静に状況を観察し、危険な状態になっていないか、けがをしていないか、暴力的な言葉や行動がないかを確認します。もし、そういった問題があれば、すぐに介入して止める必要があります。しかし、そうでなければ、できるだけ子どもたちに自分たちで解決させるようにするべきです。親がすぐに仲裁に入ってしまうと、子どもは自分で考える機会を失ってしまいます。また、親が一方の子どもをかばったり責めたりすると、子ども同士の関係に悪影響を及ぼすこともあります。子どもたちが自分たちで解決した後は、しっかりと話を聞いてあげましょう。子どもの気持ちや考え方を尊重して聞くことで、子どもは自分の感情や思考を整理することができます。また、適切なアドバイスや励ましを与えることで、子どもの自信や自己肯定感を高めることができます。親は子どもに対して、「ケンカは悪いことだ」という否定的なメッセージを与えるのではなく、「ケンカは学びの機会だ」というメッセージを与えるように心がける必要があります。子どものケンカは、親にとっても学びの機会でもあります。子どもの成長過程や個性を理解することで、親は子どもに適した対応方法を見つけることができます。また、親自身が冷静で柔軟な態度で対処することで、子どもに良い見本を示すことができます。親としては、子どものケンカに過剰反応しないように。そして、子どもが自分で問題を解決する力を育てるようにサポートしていくべきです。