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親の役割は足場をかけること

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   以前もこのコラムで紹介したことのある内田伸子氏の著書「子どもの見ている世界」の中に「共有型しつけ」という言葉が出てきます。「共有型しつけ」と相反する概念に「強制型しつけ」があります。例をあげて説明すると、親が読み聞かせをしていた時に電話がかかってきたとします。共有型しつけの親は、「ごめんね。ちょっと待っていてね」と頼み、手短に電話を終え「待っててくれてありがとう、続きを読もうね」と言って、子どもを膝に乗せ、語りかけるように抑揚をつけて読み上げます。一方、強制型しつけの親は、「静かにして」と命令して、相手と好きなだけ話をした後、一本調子で読み上げます。共有型しつけの親は、子どもに考える時間を与え、援助的なサポートをしていました。「3Hの言葉かけ」すなわち「ほめる」「はげます」「(視野を)ひろげる」言葉かけがとても多いそうです。母親の態度と呼応するように、子どもはのびのびと楽しそうに遊んでおり、自分でどんどん考え、工夫する姿が見られました。

   脳科学の世界でも強制型しつけのもとでは、記憶力が低下するという結果が出されています。学力も小学校の学力テストをみると、共有型しつけのもとで育った子どもの方が高くなります。難関大学を突破した子どもの家庭は、幼児期に共有型しつけをしていた親が多かったという結果も出ています。共有型しつけの良さを理解していただけたのではないかと思います。おしまいに掲載されている5つの提言を記します。

1 子どもに寄り添い、かわいがり、子どもの安全基地になること。

2 その子自身の進歩を認め、ほめること。

3 生き字引のように余すところなく定義や解答を与えないこと。

4 裁判官のように判決を下さないこと。禁止や命令ではなく提案の形で伝えること。

5 子ども自身が考え、判断する余地をのこすこと。

   親の役割は、「子どもの考えが進むための『足場』をかけてあげること」と結んでいます。このコラムも今回でちょうど100回となりました。過去のものは「カテゴリ」→「園長からのお知らせ」で見ることができます。ご覧いただけると幸いです。  

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