
以前NHKのバラエティ番組で「親が子どもと一緒に過ごせる時間」について放映されていました。それによると、我が子と生涯で一緒に過ごす時間は、母親で約7年6か月、父親はなんと約3年4か月しかないそうです。生涯過ごせる時間を100%とすると、子どもが幼稚園に入園する3歳頃には、子どもと過ごす残り時間の18%が既に過ぎてしまいまい、幼稚園を卒園する頃には32%。小学生に入り、友達と過ごす時間も増えてくると、小学校を卒業する頃には、55%と半分が過ぎてしまいます。やがて思春期になり、高校を卒業し、18歳で親元を離れるころには、73%が過ぎてしまうそうです。
この数字をみると、もっと濃厚な時間を作っていかなければならないと思いつつも、仕事や家事に追われて、なかなか時間が作れないというのが本当のところではないでしょうか。特別なことをしなくても子どもに寄り添いながら一緒にいる時間を大切にしていくことが大切であると言われています。毎日の小さな儀式を作るのがよいそうです。寝る前に読み聞かせの時間を作るとか、子どもと一緒に花の水やりをするとか……。私の教え子の中に小学生の息子と毎朝、サッカーボールをもって散歩をし、公園でボール蹴りをしている親子がいます。顔を合わせると、必ず息子さんの方は「おはようございます」、教え子である父親の方は「いってらっしゃい」と声をかけてくれます(親子に出会った日はとてもすがすがしい気持ちで職場に向かうことができます)。この家庭では、親子の触れ合う大切な儀式を朝の時間帯に設けています。傍から見ていてもとても素敵な時間に思えます。
教育経済学者の中室牧子さんは、子どもへの時間投資は、子どもの年齢の小さいときの方がより認知能力や非認知能力を高める効果があると記しています。それからすると、やはり幼児期には子どもと過ごす時間の質と量を高めていくことが重要です。もうすぐゴールデンウィーク、親子が子どもと一緒に過ごせる時間を大切にして欲しいと思います。