過日の新聞記事によると、睡眠時間の足りていない子どもが、半数以上いることが、東京大学と理化学研究所の大規模調査で明らかにされました。その背景には、塾や習い事による多忙化や夜間のスマートフォン利用があるとみられています。幼稚園の子どもが器用にスマートフォンを操り、動画を見ている姿を見ると、今からこれで将来の子どもは大丈夫なのか心配になるのは、私だけでしょうか。
成長期の睡眠不足は、心身の発達に悪影響を与え、生活リズムの乱れから不登校につながるケース、注意力や記憶力に影響を及ぼし、学業成績の低下につながるケースがあります。また、免疫力の低下や肥満、抑うつ傾向など身体に悪影響を及ぼす危険性もあります。睡眠障害で生活が昼夜逆転してしまい、小児睡眠外来への受診する患者数も増加しているそうです。
幼稚園児の睡眠は、その成長と発達において非常に重要な役割を果たします。専門家によると、3歳から5歳の子どもたちには、1日に10時間から13時間の睡眠が推奨されています。特に、夜22時から翌2時の間は成長ホルモンが最も多く分泌されるため、この時間帯に深い睡眠に入ることが理想的です。睡眠の質を高めるためには、就寝前の環境を整えることが不可欠です。例えば、寝室を暗く静かに保ち、寝る前のスクリーンタイムを避けることで、子どもの体内時計を整え、より良い睡眠を促進することができます。また、日中の活動量を増やし、子どもが十分に体力を使うことで、夜にしっかりと眠ることができるようにすることも効果的です。睡眠は単に体を休めるだけでなく、学習した情報の整理や記憶の定着に欠かせないことが科学的に証明されています。したがって、親としては、子どもが健康的な睡眠を取れるようにサポートすることが求められます。これには、一貫した就寝時間の設定、リラックスできる就寝前のルーティンの確立、そして睡眠の重要性についての教育が含まれます。子どもたちが十分な睡眠を取ることで、その日の疲れを癒し、新しい一日を迎えるためのエネルギーを蓄えることができます。睡眠は、子どもたちの健やかな成長と発達を支える基盤となります。おしまいに厚生労働省が2月に健康づくりを目的とした「睡眠ガイド」で紹介している年代別の推奨睡眠時間を記します。
各年代の推奨睡眠時間 1~2歳 11~14時間 3~5歳 10~13時間 小学生 9~12時間 中高生 8~10時間 成 人 6時間以上
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