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躾(しつけ)とは、し続けること

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   4月に「はきものをそろえる」というコラムで躾について、書かせていただきました。
その後、「我が家でもあれから実践しています」と言ううれしいお話を耳にしました。うまくいって習慣化されているといいのですが……。

 たまたま先日、読んだ書物の中に参考になりそうな話が出ていましたので、紹介いたします。
Aさんには、6人の息子がいます。息子たちがまだ小さいときに、履物をそろえさせようと、脱ぎ散らかした状況を見て叱ったそうです。しかし、その時はそろえるもののすぐに元に戻ってしまいます。困ったAさんは、尊敬するB先生にどうしたらよいかアドバイスを求めました。すると、B先生に「君がし続けることだ」「息子のことは、放っておけばよい」と言われました。それから、Aさんは、率先して履物をそろえ直しました。それでも、靴をそろえているすぐそばで息子たちが脱ぎ捨てていくのを見て腹が立ちました。しかし、「放っておけばよい」と言われたので、叱ることもせず、履物をそろえ続けました。すると、不思議なことにひたすらそろえ続けていると、息子のことも意識から消え、履物をそろえることが面白くなってきました。無意識のうちに履物をそろえることが楽しみになってしまいました。それで、はっと気づいたら、なんと息子たちが履物を並べて脱ぐようになったそうです。

   山本五十六は、部下を指導する際に「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」と言いました。まさに躾は、丁寧に根気強く、し続けることが定着させるコツのようです。

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