
ベネッセ教育総合研究所が1995年から行っている「幼児の生活アンケート」によると、子どもの遊びの内容が一部変化していることがわかります。就学前の子どもがよくする遊びについて保護者に複数回答で尋ねました。その結果「公園の遊具を使った遊び」と「積み木やブロック」は調査以来1、2位でした。一方、2005年は3位だった「砂場などでのどろんこ遊び」が9位に下落し、変わってこの年から3位になったのは、「ユーチューブを見る」が一気に上昇してきたそうです。
公園や幼稚園でおなじみの砂場は、子どもの発達においてかけがえのない場所です。砂場遊びには、子どもの発育やスキル向上に多くの効果があります。以下にそのいくつかを挙げます。まず、身体的な発育を促します。砂場での掘る、形作る、運ぶなどの動きは、子どもの大きな筋肉群と細かい運動スキルを発展させます。砂の不安定な表面での遊びは、バランス感覚を養うのに役立ちます。創造性と想像力を養います。砂場は子どもが自由に形を作り、物語を創造する場です。これにより創造性や想像力が豊かになります。そして、砂の城を作るための計画や方法を考えることは、子どもの問題解決能力を高めます。砂場は友達と一緒に遊ぶ場所でもあります。共同でプロジェクトに取り組むことで、協力とコミュニケーションスキルが向上します。一つの場所を複数人で使うことで、交渉力やシェアの重要性を学びます。砂の質感や温度を感じることで、感覚統合が促進されます。集中して細かな作業を行うことで、集中力が養われます。
砂場遊びは、楽しいだけでなく、多くの学びと成長の機会を提供する素晴らしい活動です。以前このコラムで、ロバート・フルガムさんの「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」というお話を紹介させていただいたことがありますが、まさにその通りです。北丘幼稚園の砂場も昨年新しくなりました。子ども達にはたくさん遊んで、運動能力や社会性を養って欲しいと切に願います。