先日、「学力テストでは測れない非認知能力が子どもを伸ばす」と言う中山芳一さんの本を読みました。以前よりこのコラムを通して、非認知能力の大切さを訴えてきましたが、改めて非認知能力というのは、自分の感情をコントロールする力、人とうまく関わる力、目標に向かって頑張る力、苦難を乗り越える力、これらを総称して呼んでいます。世界で初めて非認知能力を提唱し、ノーベル経済学賞を受賞したヘックマンも、早期のうちに養っておくべき力は非認知能力であると言っております。幼少期に非認知能力を育んできた子どもは、追跡調査によって年収や学歴が高く、犯罪率が低いことが証明されています。ヘックマンは、経済学者ですので、最終的には納税者人口が増え、刑務所などの費用が減ると経済効果の有効性に言及しています。
別の視点からもいろいろな方が、非認知能力の大切さを述べています。2045年には人工知能(AI)などの科学技術が飛躍的に進歩した結果、AIによって仕事を奪われる時代が来ると予想されています。今まで人間がやっていた状況や情報を正確に管理して、的確な指示を出すような仕事はAIが担った方が優れています。したがって、知識偏重の教育では、対応できなくなってしまいます。2007年生まれの子どもの半数は、100歳まで生きるとも言われています。長い人生を健康に楽しく生きていくためには、時代の変化に対応できることが大切で、そのために非認知能力の獲得・向上求められています。次回は、「どうしたら非認知能力を伸ばすことができるのか」中山芳一さんの理論について、触れてみたいと思います。